対象物の「前に置く」ことで対象物の位置や動きを示すことができる「前置詞」
訳は多岐にわたっても、核になるイメージをおさえておけば知らない表現が出てきても想像することができるようになりますよ。
今回は「IN」さっそく見ていきましょう。
前置詞「IN」の核イメージ
前置詞「in」の核イメージは「入れ物の中、容器の中」

核イメージから派生した意味・使い方
「入っている」を表す前置詞「in」
前置詞「in」の核イメージは「入れ物の中」。
そこから派生して対象物が「入っている」という状態を表現できますよ。
He is in the cup.
訳)彼はカップに入っている。

「入っている」を体現してますね。
He always dresses in dark suits.
例)彼はいつも暗いスーツを着ています。

「身につけている」表現は「dark suits」という入れ物に「包まれている」
I am very interested in this book.
例)この本に大変興味があります。

「この本という入れ物の中」で私は興味を与えられた。
⇛ 私はこの本に興味がある。

実は英語の世界では「感情は神様に与えられたもの」と考えられています。だから感情系の表現は受動態が多いんですよ。
I want to fall in love with some one.
例)誰かに恋をしたい。

「Love」という入れ物に落ちてしまうことを「恋をする」と表現。素敵!
「手段・方法」を表す前置詞「in」
「◯◯の手段・方法という入れ物の中」でなら、主語が〜することができる
We need to speak in English here.
例)ここでは英語で話す必要があります。

私たちは「English」という入れ物の中で話しましょう。
⇛ 英語を使って話しましょう。
※「私達が話す」のは「English(手段)」の入れ物の範囲内でできますよ、と「手段・方法」も「in」で表現可能。
Please write your name in pen.
例)ペンで名前を書いて下さい。

「ペンという機能を持つ」範囲(入れ物)の中で名前を書いてくださいね。
⇛ ペンを使って名前を書いてくださいね。
※「あなたが名前を書ける」のは「Penという機能(手段)」の範囲(入れ物)内でならできますよ。

前置詞は名詞の相棒ですので、名詞の性格を知っていることも大切ですよね。「抽象化する」って大切な概念、ちょっと確認しておきましょう!
名詞の抽象化とは|物自体ではなく、その物がもつ機能面に注目
本来 具体的な形を持つもの(可算名詞)が「a, one, my」などの限定詞を持たずに丸裸で出てくる時、実はその機能面を表しています。
英語にとって数えられる名詞というものは形がはっきり、くっきりイメージできています。

しかし丸裸ででてくると、形の輪郭がぼんやりとして機能面が注視されるのです。
この「ぼんやりしちゃったぞ、、、」が「抽象化」。
「go to school」が「学校に行く」となるのは丸裸の「school」が学校の機能である「学校生活」を表現してるから。
つまり「学校生活」を送っている学生さんと教師、学校関係者だけが「go to school」を使えるのです。

保護者は学校生活を送ってませんので、授業参観に行くときは「go to the school」で「学校という場所」をしっかり形づくって表現しましょうね。

今回の「pen」も同じです。「pen」の機能面(書くことができる物)が注目されているので「ペンで書く」となりますよ。
「時の経過」を表す前置詞「in」
The train leaves in 5 minutes.
例)その電車は5分後に出発する。

※電車やバスなどの発着予定は確実な未来なので現在形で表すことができますよ
※時間の「in」は「現時点からの〇分後」という前提条件が入っています。
例)「今から◯分後、今から◯ヶ月後、今から◯年後」。
⇛ 持ち時間容器の境界線はスタートの「今」と終了の「◯分後」で形作られてますよ。

過去の「とある時間から◯分後」を表現した時は「later」が使えますよ。現時点から「◯分後」の表現は「in」の分野です。
The train leaves in 5 minutes.
⇛ The train leaves (in 5 minutes).
その電車は「in 5 minutes:5分という時間の入れ物」を出発します。
と考えると覚えやすいですよ。

「時間の「in」は容器の境界線で○分後を表現」とよくあります。理論上はそうだとしてもなんだかモヤモヤ。だって「境界線」なら「within」にもありますもんね。ここは入れ物意識の「in」の特徴を利用して 上のように覚えてしまったほうがはるかに楽ですよ!
押さえておきたい他の前置詞との比較|「in」編
入れ物の中の「in」、接触の「on」
・She arrived here in time.
訳)彼女は時間内にここに到着した。(「待ち合わせ時間という入れ物」の内側)

・He arrived here on time.
訳)彼は時間通りに到着した。(待ち合わせ時間ぴったりに接触)

※「待ち合わせ時間という入れ物」の中で到着するので、1時間前でも、1分前でも「in time:時間内」
※「待ち合わせ時間とぴったり接触」して到着するので「on time:時間通り」
【時間幅で前置詞を使い分ける:in / on / at】
時間につく3大前置詞「in」「on」「at」は時間幅の意識が大切です。
※昔は「夜」というものは寝ている時間、活動のない時間だったため、点で表現する「at night」という表現がうまれたんですね。

夜も常に活動している赤ちゃんに関してなら「The baby cries in the night.」と表現できますね。
線上の「on」、入れ物の中の「in」
・They are on the way home.
例)彼らは家に帰る途中です。(家までの「線上」に彼らはいる)

・They are in the way.
例)それらは邪魔だ。(「道という空間の入れ物」にそれらがいて道を塞いでいる)

※道も「in」では空間を感じさせます。「入れ物」に塞ぐものがあると「邪魔」ですもの。

※「〜分後」は「in」で表現、「after」ではありません。
「after」は順序を表現する前置詞さん。「昼ごはんの後」「授業の後」など、時間ではなく出来事の順序を利用して「後」を表現する子なのです。詳しくは「after」でまた仲良くなりましょう。
まとめ|前置詞「in」
【派生イメージ】
・「入っている」を表す
・「手段・方法」を表す
・「時の経過」を表す
入れ物の中の「in」、接触の「on」
核になるイメージで表現方法を使い分ける

核イメージをしっかりと押さえ、そこからの派生パターンの傾向を捉えましょう。

入れ物という空間を表現できる「in」は対象をその入れ物に入れるだけで状況を器用に表現できてしまいます。「in hope:希望を持って」「in seacret:内緒で」「in fact:実際は」。おもしろいですね。
参考書籍
前置詞を楽しく学ぶ、おすすめ書籍。
@eigodekaiwa
